ー工事中ー
(実験終了後順次記載します)
基礎実験
1)ローカル発振器
1-1)120GHz レーダ‐チップ (TRX_120_045)Silicon radar
このチップは、コンパクトなMMICで120GHzレーダートランシーバです。
大きさは、5 x 5 mmで、標準のQFN32パッケージに収められており、
TX用、RX用のアンテナはチップ上に直接ダイポールアンテナとして設計され、
電源電圧は、単一で+3.3 V、消費電流 170mA程度で効率がよく、
送信出力は134GHzで-10dBm程度、受信の高周波部には、10dBのRXアンプが
あり、とても面白いMMICです。
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(2022年マイクロウェーブ展にて撮影)
1-2)ローカル発振器と受信IF出力特性
いろいろな原発を用いて135GHz受信出力を比較検討した資料
(JA1KVN武藤氏資料参照)
局発のフェーズノイズによる受信IF出力特性
フェーズノイズの良さは どっちらでしょうか?
ローカル発振器は、フェーズノイズの少ないXtal-PLL発振器を使用する。
2)バラクターダイオードを用いたマルチプライヤーによる逓倍実験
バラクターNo1
逓倍数による出力変化
高次逓倍数は、4、6,8の偶数倍が奇数倍より勝ることに注目。(シングルダイオードの場合は、2とか奇数倍)
135GHzを確認するには、WR-6の導波管にて測定する。なければ、内径1.5φの円パイプを利用する。
(271GHzの信号は、135GHzの2逓倍が現れている可能性があり実際の信号ではない?)
バラクターNo2
HP8566Bで計測 HP70000で測定
バラクターに流れる電流は、300μA程度です。 HP70000 スペアナによると-61dBm
HP8566B スペアナ値が、249GHz -74dBm。 外部ミキサー損失-50dBと仮定すると249GHzで-11dBmとなる。
外部ミキサー損失を-50dBと仮定すると249GHzで-24dBmとなる。
(ただし、HP8566BのYIG信号レベルを規定値まで増幅していない状態)
スペアナのIF端子に+20dBのアンプを挿入して測定した結果
各段のスプリアス 高調波
3)RXミキサー特性
ミキサーの中間周波は、効率のよいIF周波数を選択すること。 このミキサーは、100MHz付近である。
また、高次(4〜12次以上)ハーモニックミキサーで、注入電力も低電力で効率のよいところを選ぶこと。
4)ミキサーとバラクター
色々なミキサー基板 色々試作したミキサー
Anatomy of a Vivaldi Antenna and Others are kuhne-electronic.
5)135GHzのミキサーとバラクター出力(6逓倍)
22.6GHz 200mWのローカル信号を作り、キュービックミキサーをトランスジューサ上に載せ6逓倍の実験をしました。
(JRCの22GHz送信ユニット)
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・ミキサーダイオード(MA4E2037 x2)で6逓倍し、135GHzにて−20dBmほどの出力を得ている。
4倍逓倍とあまり変わらない様子?
・バラクターダイオード(MA46H146 x2)で6逓倍し、135GHzにて−12dBm程の出力が取り出せる。
22GHzの信号を、ビームリードダイオードにて(6逓倍)135GHzの信号を得ることができる。
6)導波管切替器の実験
いろいろな電動と手動の導波管切替器です。 WR-08の導波管切替器が入手できず、WR-15のものを使用して実験を行った。
7)自由空間伝播損失
249GHzの自由空間損失は、10kmで-160dBの損失があることがわかる。(135Gで+数dBの違いです)
もし、送信電力が、-40dBm、送信アンテナ50dBとすると、受信点では、-150dBである
受信できる限界が、(249GHzミキサー)-100dBとすると、受信アンテナのゲインが少なくとも50dB必要になる。
実機の試作
各ユニットごと試作し、動作を確かめながら製作することにしました。
1. 135GHz 4逓倍器
(出力プランジ:WR-15、入力コネクター:APC2.4)
広帯域アンプ(〜45GHz 100mW)とバラクターを内蔵し、出力にWR-15の導波管を使用しているため
2逓倍、3逓倍、4逓倍、6逓倍波の観測ができます。
入力値が、大きいほど出力が出るとは限らない面白い結果です。
測定データは、あくまでも絶対値ではありませんが、比較検討できます。
2. 50G - 60GHz アンプ SPACEK LABS 製
(導波管タイプ WR19)
62GHzにおいて+15dBのゲインがありました。
3. 50GHz アンプ (3逓倍器)
(入出力コネクター:APC2.4)
3逓倍器の性能、(供給電源 +8V 500mA)
本体 入出力特性
ストレートアンプとして使用 3逓倍器として使用
ストレートアンプの性能
Gain:28dB, P1d OUTPUT:+16dBm
3てい倍器
in +5dBm, out +5dBm (周波数に依存する)
4. 33GHz 4逓倍器 135GHz用
(出力プランジ:WR-19、入力コネクター:SMA)
30GHz 4逓倍器、 38GHzアイソレータ、10GHz PINアッテナーター構成
5. 33GHz アンプ 135GHz用
AMMP6442 Avago
Vd=+5V, Id=0.7A, Vg=-5V, Ig=-1.5mA
INPUTに1mWを入れて測定しています。
10. 8GHz 発振器 (Xtal-PLL)135GHz用
マキ電機製(Xtal-PLL)発振器と 10GHz 20dBアンプ、8GHzバンドパスフィルターの構成
11. RX ミキサー
135GHzミキサー、IF AGC付きアンプの構成で,(3)のRXミキサーで特性のよいNo1を使用
IFは、効率のよい100MHz付近を また、高次ハーモニックミキサーとして使用。
ミキサー内部
トリミング方法は、最初に調整し易い4倍の166GHzで調整してから、8倍の249GHzを再調整する。
アンチパラレルダイオードHSCH-9251(MA4E2039)を使用。
参考) 製作したスペアナの高次(24次以上)ハーモニックミキサー
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受信性能は、4次のハーモニックミキサーと24次のハーモニックミキサーとあまり変わらないようです。
12. HF帯 IF受信機 (SDR-3を使用)
13. Xtal-PLL発振器内蔵 3MHz中間周波受信機
(供給電源 +12V, 500mA)
249GHz用 ローカル出力周波数;13.837944GHz +1dBm以上
このXtal-PLLのフェーズノイズは、10kHzで-104dBc/Hz 良い結果がでました。
(特徴)
1) Xtal-PLL発振器の出力は、写真のとおり13GHzにおいて+1.9dBm
2) 発振器のロック外れを監視するためにバリキャップ電圧を表示させるメータを取付。
3) IF 3000kHzの受信感度 20dB_QSは、-110dBm,SQ感度は、-120dBm程。(ちょっと悪いかな)
4) 受信強度を直視するシグナルメータを取付
5) IF 3000kHzを可変±20kHzできるようにバリコンを取付
6) スピーカ(フォニック)からローカル発振に影響を与えないためSP外部端子を設けている。
14. パラボラアンテナの焦点とF/D比
パラボラアンテナの計算式
双曲線 y=ax^2 a:係数
x^2=4py p:焦点
・TDK CS-50
TDKのCS-50は、すでに製造中止になっていますが、BS-50のアンテナと違いカセグレンアンテナで、
24GHz帯以上のバンドで使い勝手が非常によく、当方では利用している。
アンテナの直径 D=520mm (半径 260mm), 深さ h=110mm
a=110/(260)^2=0.00162
・焦点 F=1/4a = 1/4x0.0016=156mm
・F/D比 =156/520=0.3
・TDK 380 焦点の計算
アンテナの直径 D=360mm (半径 180mm), 深さ h=72mm
a=72/(180)^2=0.00222
・焦点 F=1/4a = 1/4x0.00222=112mm
・F/D比 =112/360=0.311
・SAT-45 焦点の計算
アンテナの直径 D=420mm (半径 210mm), 深さ h=88mm
a=88/(210)^2=0.019954
・焦点 F=1/4a = 1/4x0.0019954=126mm
・F/D比 =126/420=0.32
15. 全体の構成
各ブロックごと製作し机上テストしました。
送信器は、Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器、135GHz用4逓倍器
受信機は、Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器と、135GHz用受信ミキサーの構成、
Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器は、送受共用としています。
性能のよいユニットが出来上がれば簡単に取り換え可能です。
17. 運用実績
目的:送信器の実地試験
場所:キャサリン公園ー太平山 (約20km) 135GHz 信号確認 S3
日時:2020年10月25日(日)、午前9時
DE JH3OZA 令和 2年10月12日