24GHz 無線機(トランスバーター)の製作
 (業務用の22GHz帯マイクロウエーブ無線機器再利用)
    By JH3OZA
 (東京都大田区 桶谷 保)  2006年1月
Counter


<はじめに>
 業務用の22GHz無線機を、24GHzアマチュア無線機に改造変更を行います。
この装置は「送受信ユニット、フィルター、ローカル発振ユニット、送受用サ-キュレ-タ」が
すべて備わっている。
とても、構造が分かりやすく、ブロックごに分けられ作られています。


当局のアンテナ 設置写真
(奥側47G 手前24G)


改造する22G業務無線機器

: 送信 ユニット :

 このユニットは、22GHz PAアンプ(>100mW)とミキサーおよび2逓倍ローカルアンプ
(Lo 10.5GHz帯入力)が、内蔵されている。

I )電源端子の詳細

*送信ユニット端子
 1.+9、 2.+9V、 3.+6V、 4.NC、   5.−5V、 
 6.PTT、 7.NC?、  8.GND、  9.GND、 10.GND

*受信ユニット端子
 1.NC、  2.NC、   3.+6V、 4.+6V、 5.−5V、 
 6.−5V、 7.NC、   8.NC、  9.GND、 10.GND

 *コネクター付きの1φの同軸ケーブルは、中間周波(IF)で、1.7GHz。
 *ローカル(Lo)の発振周波数は、10.5GHz
 *送信ユニットの6番PINは、PTT端子でLowで送信。

II) 測定結果(22GHz時)

 送信ユニット
 *9V 400mA, *6V 50mA,*-5V 40mA :送信電力150mW
 受信ユニット
 *6V 130mA,*-5V 4mA :受信感度 良好 

  一度22Gの動作するか試験してみておいてください。
 このユニットは、24GHzのトランスバータの改造にもってこいです。

III) 24Gブロックダイヤグラム

        ----- MIX -------- RF2 ---------- RF1 ---------- ANT
        |     |                    
        |     |    
        |     |    
IF 1200MHz ○    ------ X2 BUFF <- LO 11.375GHz
        |     |                      
        |     |                      
        |     |                      
        ----- MIX -------- PA2 ---------- PA1 ---------- ANT

IV) 24GHzに変更方法

  最初は、基盤上のエポキシ樹脂を熱で溶かしながら剥ぎ取る。
 上部基盤にある左右10ピンコネクターの半田を吸取り、基盤を取外して、
 内部に手が入れるようにする。

  次に、内部基盤が現れると、アルミ蓋が見える。
 その蓋を取り去ると、PAアンプ, 22G用フィルター, ミキサー部分が現れる。
 改造(調整)は、この22GHzフィルターを、24GHzにすることである。
 私は、フィルターの長さを長くトリミングしましたが、削ることでも可能です。
 (1/2λ)または、(1/4λ)のフィルターに変更すればよい。
 (調整は、PAアンプや2てい倍器、ミキサーに触れないように注意して行う)

 受信ユニットも同様に内部のフィルターを24GHzに調整すればよい。


 <写真中央部の22GHzフィルターを24GHzに変更する>
 <調整方法>
  ローカルのSMAコネクターに11.37GHz +10dBm程度を入力し、
 IFに1200MHzの信号を入力すると、弱いながらもアンテナ側の導波管に24GHzの
 信号が出てきます。(−20dBmほど)
 それを頼りに22GHzのフィルターをトリミングし、24GHzの信号を最大にする。
 フィルターの調整は、非常に微妙で、隣面に接触しないよう注意すること。
 また、あまり半田を大盛りにしないよう注意してください。
 (うまく調整すると出力が<50mW程度出てきます!)

V)24G送受信ユニットに組み立てた様子

 「アイソレータ、送信受信ユニット、Local OSC、制御回路」


VI) アンテナ(CS-50A)の改造


24GHzアンテナの製作

 CS用のCS-50(TDK製)をそのまま使用しました。
このアンテナは、カセグレンタイプで副反射鏡がついていて、そのまま利用でき
価格もお手ごろで、大きく改造する必要もありません。
 給電部分の円形アルミパイプ(18mmφ)に24G用円形パイプ(内径8mmφ)を
挿入して焦点をあわせればOKです。
非常に簡単に、24GHzカセグレンアンテナが出来上がります。
もちろん、この方法で 47GHzも問題なく利用しています。


<24G用丸型トランスジューサーの製作>

 真鍮パイプ(8mmφX20cm)を手に入れ、2点留めのSMAを取付けました。(写真参照)
また、トランスジューサーの調整は、24G用サーキュレータを使いました。
サーキュレータのA番端子にアンテナを接続し、@番に24Gの信号を入れる。
B番にスペアナを接続し24G信号が表れますので最小にようにアンテナ(エレメント長)を
調整してください。
(詳細は、5GHzのスリーブアンテナ製作を参照してください。)
パラボラの8mmΦパイプの位置調整は、24GHzの信号を受信しながら最良になる点に
パイプを挿入し、その位置にしっかりと動かないように取付けてください。


VII)設置風景
アンテナ設置方向から見た風景
  *      *
 皆様のお役に立てたましたでしょうか?
  次のホームページには、簡易無線機のパソリンク50を、47GHzに変更する方法を記載ています。

以上 JH3OZA


トップへ戻る”border=