ミリ波 (0.3THz テラヘルツ波)
 249GHz トランシーバー初号機の製作
  (248GHz〜250GHz)
 
By JH3OZA
  2021年3月


基礎実験
1)バラクターダイオードを用いたマルチプライヤーによる逓倍実験
バラクターNo1
  逓倍数による出力変化
 
  高次逓倍数は、4、6,8の偶数倍が奇数倍より勝ることに注目。(シングルダイオードの場合は、2とか奇数倍)
  135GHzを確認するには、WR-6の導波管にて測定する。なければ、内径1.5φの円パイプを利用する。
  (271GHzの信号は、135GHzの2逓倍が現れている可能性があり実際の信号ではない?)


バラクターNo2

 HP8566Bで計測                    HP70000で測定
  
バラクターに流れる電流は、300μA程度です。        HP70000 スペアナによると-61dBm
HP8566B スペアナ値が、249GHz -74dBm。         外部ミキサー損失-50dBと仮定すると249GHzで-11dBmとなる。
外部ミキサー損失を-50dBと仮定すると249GHzで-24dBmとなる。
(ただし、HP8566BのYIG信号レベルを規定値まで増幅していない状態)

 スペアナのIF端子に+20dBのアンプを挿入して測定した結果

 各段のスプリアス 高調波
 
 

2)高次逓倍
 x6次逓倍(41.5GHz +20dBm)          x8次逓倍(31.1Ghz +18dBm)

 249GHz出力
 ローカル周波数41GHz+20dBm時 -53dBm(実測値 -23dBm)、 31GHz+18dBm時 ‐63dBm(実測値 ‐33dBm)

  

3)自由空間伝播損失
  

   249GHzの自由空間損失は、10kmで-160dBの損失があることがわかる。(135Gで+数dBの違いです)
  もし、送信電力が、-40dBm、パラボラアンテナ50dBとすると、受信点では、-150dBである
  受信できる限界が、(ミキサーのみ)-100dBとすると、受信アンテナゲインが、50dB必要になることになる。
  


4)使えそうなアンプとその他部品
1. 50G - 60GHz アンプ SPACEK LABS 製 (導波管タイプ WR19)
 
  62GHzにおいて+15dBのゲインがありました。

2. 50GHz アンプ (3逓倍器)
(入出力コネクター:APC2.4)
 3逓倍器の性能、(供給電源 +8V 500mA)
  本体                            入出力特性
 

  ストレートアンプとして使用                 3逓倍器として使用
 
 

 ストレートアンプの性能
  Gain:28dB, P1d OUTPUT:+16dBm
 3てい倍器
  in +5dBm, out +5dBm (周波数に依存する)


3.41.5GHz 3逓倍器とアンプ 249GHz用
 (出力プランジ:WR-28、入力コネクター:SMA)
 38GHz 3逓倍器 (CTR960459102R02)50mW + 導波管アンプ(800mW)構成
 13.8GHzx3逓倍し41.5GHzを出力、増幅させています。
 供給電圧  (CTR960459102R02、+9V, +12V) + (導波管アンプ +5V,-3.5V)
 合計電源: 12V 2A)

  
   
 41.5GHz で200mW程度出力が出る。

4.40GHz トランスジューサ及びフィルター 249GHz用
 40GHzトランスジューサ
 
 40GHz フィルター
 
 41GHz フィルター No1
 
 41GHz フィルター No2
 

5.62GHz (A0840) NEC 2逓倍器 249GHz用
      Po=10mW,Vd=12V,Id=260mA
 内蔵VCOを動作させた状態

 パワー測定 60GHz

 62GHz 2逓倍器アンプ 改造方法

 改造後の結果

 パワー測定 62GHz

 ケースに入れた状態


6.13.8GHz HPFとBPF フィルター 249GHz用
 3逓倍器の前 HPFフィルター(40GHz以下の信号を少なくするため) 
 

 BPF (9.3GHz 〜 14.2GHz)フィルター 
 

 BPF (13.8GHzフィルター) 
 

7. RX ミキサー
 135GHzミキサー、IF AGC付きアンプの構成で,(3)のRXミキサーで特性のよいNo1を使用
 IFは、効率のよい100MHz付近を また、高次ハーモニックミキサーとして使用。
  

 ミキサー内部
 
 トリミング方法は、最初に調整し易い4倍の166GHzで調整してから、8倍の249GHzを再調整する。
 アンチパラレルダイオードHSCH-9251(MA4E2039)を使用。

 色々なミキサー基板
 

 参考) 製作したスペアナの高次(24次以上)ハーモニックミキサー
 
 受信性能は、4次のハーモニックミキサーと24次のハーモニックミキサーとあまり変わらないようです。


8. IF受信機 (SDR-3を使用)
 

9.Xtal-PLLローカル発振器と 3MHzIF受信機 
  (供給電源 +12V, 500mA)
  
  
  
 
  249GHz用 ローカル出力周波数;13.837944GHz +1dBm以上
  このXtal-PLLのフェーズノイズは、10kHzで-104dBc/Hz 良い結果がでました。
 (特徴)
 1) Xtal-PLL発振器の出力は、写真のとおり13GHzにおいて+1.9dBm
 2) 発振器のロック外れを監視するためにバリキャップ電圧を表示させるメータを取付。
 3) IF 3000kHzの受信感度 20dB_QSは、-110dBm,SQ感度は、-120dBm程。(ちょっと悪いかな)
 4) 受信強度を直視するシグナルメータを取付
 5) IF 3000kHzを可変±20kHzできるようにバリコンを取付
 6) スピーカ(フォニック)からローカル発振に影響を与えないためSP外部端子を設けている。


10. パラボラアンテナ (TDK CS-50)
 
 TDKのCS-50は、すでに製造中止になっていますが、BS-50のアンテナと違いカセグレンアンテナで、
 24GHz帯以上のバンドで使い勝手が非常によく、当方では利用している。

11. 全体の構成
 各ブロックごと製作し机上テストしました。
  
  送信器は、Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器、135GHz用4逓倍器
 受信機は、Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器と、135GHz用受信ミキサーの構成、
 Xtal-PLL 8GHz帯発振器、33GHz用4逓倍器は、送受共用としています。
 性能のよいユニットが出来上がれば簡単に取り換え可能です。

12. 249GHzTRX ケースに一体化
 ブロックダイアグラム
 
 製作途中
  
  
 


13.249GHzアマチュア無線局名簿 2023年現在
    
 


DE JH3OZA  


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