円盤型マルチバンド 5.7G、24G帯
               アンテナの製作
一つのパラボラアンテナに 各バンド共用
By JH3OZA
(東京都大田区 桶谷 保)  2010年2月
               追加 2018年9月

 

 
F/D比(0.5程度)の浅いパラボラの焦点に取付けるように設計したものです。


<目的> 
 建物ベランダの限られたスペースを、有効に利用するため、
アンテナを一つにして複数のバンドを運用すること。


<考え方>
 パラボラアンテナの焦点付近に、5Gと10GHzのトランスジューサーを中心線上に並べて
運用されている局も多いことと思います。
また、5Gの円筒型トランスジューサー内に10Gのエレメントを入れて2バンドを形成して
いるのも見受けます。このように苦労して2バンドの運用をされていますが、
今回は、更に数バンドを加えて、 3バンドや4バンドの運用ができないものかと、
考えました。


<参考文献>
 以前のCQ誌で2バンドのアンテナ記事を見たことがあるのを思い出し、
記憶だけで製作しました。

その記事には、円盤を同一線上に2ヶ取付け、
変形の対数アンテナと説明書きに記載されていました。(たぶん)

この円形対数アンテナを3バンド、4バンドと円盤を増やしてカットアンドトライで、
作ってみることにしました。



<課題>
1)簡単な構造
2)軽量化
3)各バンドによる焦点ずれ防止。


<結果>
 一長一短がありますが、多少電波の効率を犠牲にして設置スペースを考えると
円盤型のマルチバンドアンテナがよいと結論に達し製作しました。
ただ、1バンドでの運用なら問題にならないのですが、あるバンドを送信、別バンドを
受信としますと送信の抑圧を受けます。かならずBPFフィルターを入れるなどの対策を
取らないといけなくなります。

円盤マルチバンドアンテナの構造




<構造>
上の方の円盤から10GHz、5GHz、2.4GHz
24GHzは、中心の円形パイプを導波管に見立て
24GHzのトランスジューサーとして使う。


<寸法>



<測定結果>
製作したアンテナ特性を測定してみました。

**(2.4GHzの反射特性SWR) **


**(5.7GHzの反射特性SWR) **


**(10.24GHzの反射特性SWR) **


**(24GHzの反射特性SWR)**


各バンドのアンテナ反射特性(SWR)を1.0に
近づけるように調整し作りました。
使用周波数 :
  2.4GHz, 5.7Ghz,
     10.24GHz, 24GHz 4バンド 
        ひとつのディッシュで!

各バンドの取出口:写真からわかるように
各バンドSMAコネクターを用意しました。

反射特性(SWR)から見てなんとかつかえる!
正確な寸法を記載できないので、カットアンドトライで作ってみてください。





 デュアルバンドのアンテナを作ってみました。(2018/09)
製作No1




製作No2
 

        5GHz SWR 1.52、                  24GHz SWR 1.08

SWRを測定しながら、カットアンドトライで製作してみてください。
面白いところにピーク点が見つかります。



製作No3
 2バンドヘリカルアンテナ(1.2GHz,2.4GHz)
 SWR 1.2GHz :1.5, 2.4GHz : 1.9


実際使用してみました。
当局のように小さいスペースのベランダに取り付けるのに最適です。
ただ、低いバンドで送信中は、高いバンド側が抑圧を受けますのでご注意ください。


敬具
By JH3OZA  


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