CW-Decoderの製作  CW-Decoder (モールス信号 解読器)の製作 
 By JH3OZA
 桶谷 保
  2017年9月

<概要>
  色々な方々が製作しているモールス信号(CW)解読器を参考にして作ってみました。
 まず、デジタル回路ですが、入力スイッチからトンとツーの個々の時間を測る仕組みを
 プログラムで作り、その比率を測定し判定して、1文字を1数字にして解読しました。

 <ケースに入れた状態>
 
 東京の50MHzビーコンを受信中    (側面パネルに見える赤いプッシュSWは、簡易電鍵)

 
 <1号機>                         <2号機>

 
 <3号機>

KATSUMI(カツミ製) EK-150改造
 
  カツミ製の初期エレキ-(EK-150)に自作のモールス(CW)解読器を内蔵しました。
 手動の速度(ワード30以下)の解読は正常に動作しています。
 モニター音と同時に文字で見ると練習にうってつけです。
 もちろん、無線機のスピーカ端子から入力して解読できるように入力端子を設けてあります。

KATSUMI MK-1024改造
  
 KATSUMI(カツミ製)の横ぶれエレキーにモールス信号解読機を埋め込み、ACトランスを取り外してリチューム電池を内蔵。

 <基板状態>
 


<回路図>

 LM567は、AFの帯域フィルター。 18F14K22は、自作CW解読プログラムを入れたPICです。
 また、8Ωスピーカをマイク代わりに使用(これでも音をひらいます。)



<特徴>
・外部電鍵を接続できるコネクターを設けている。また、内部に簡易電鍵を装備している。
・英文・和文の切替は、CW信号による場合と手動スイッチによる場合の両方としている。
・CWの速度は、手動で4段階(ワード10、15、20,30)切替でき、その中間は自動認識としている。
・内蔵スピーカ(8Ω)をマイクロホンとして使い、無線機からのCW信号を拾い表示させる。
 もちろん直接ケーブルで接続も可能。
・誤動作時の対応用、またリセットするためにリセットスイッチを設けている。


外部端子
 1)電鍵
 2)無線機と接続コネクター
 3)CWマイクロフォン端子

プッシュスイッチ
 1)手動和文/英文切替スイッチ
 2)内部電鍵 プッシュスイッチ
 3)手動速度切替スイッチ
 4)ResetSW

表示器
 1)電源ON表示
 2)外部トンツー受信表示
 3)和文/英文切替表示
 4)受信速度表示 LOw/High
 5)内部電鍵ツートン表示
 6)LCD 2桁16行

音声出力
 1)スピーカー兼マイク
 2)内部ブザー

ボリューム
 1)音声可変フィルターVR
 2)スピーカ音量
 3)LCD用
 
<プログラムのキーポイント>
 CPUは、ワンコインマイコンであるPICを用い、CWの入力PINをC0に接続、
 タイマ0 割り込み許可を利用して、パルス長とパルス間の時間を計測しました。

 例)
 #INT_RTCC
 rctc__count(){
  count++;
 }

 #define CWINP PIN_C0

 enable_interrupts(INT_RTCC);
 enable_interrupts(GLOBAL);

 if (input (CWINP) ==0){
  dot = count;
 }

  モールス符号の欧数字では5ビット、和文では6ビットのビット数が必要になります。
 これだけでも認識できますが、スタートビット、ストップビットを加え8ビットと、
 誤り訂正用ビット数を加えて判別することにしました。(やりすぎかもしれませんが)
 特に、CQ誌 1998年3月号 JR7RAR様や、JK1XKP様のホームページ
 CW解読アルゴリズムのアイデアを拝借しました。
 

<感想>
 プログラムの制作は、とても大変でした。
何度もCW信号をON,OFFしながら動作を確認しプログラムを制作しました。
また、アナログ回路処理も苦労しました。電鍵で入力する時、問題にならないのですが、
受信機からCW信号を受信すると、音声信号でもCW信号と誤解してしまい上手くいきません。
それで、800Hzの信号だけ通過させるフィルターが必要となります。
LM567でフィルター回路をつくり単一周波数信号だけを通過させるようにしました。
今回の制作キーポイントは、やはり入力信号処理のアナログ回路でした。
 カツミ製に内蔵することで横ぶれのエレキーに慣れ、モニター音と同時に文字で読めると
当方の不向きな和文の練習にもなりました。また、あまり気にしなかった文字と文字の間隔も
とても勉強になります。まだまだです。


以上 JH3OZA


トップへ戻る”border=