1] 5.7GHzスリーブアンテナの製作
JH3OZA
桶谷 保
20016年6月
簡単に作れるスリーブアンテナ
アンテナゲイン:2.14dB程度しかありませんが、
移動実験用に作っておくと便利です。
(5.8GのLANアンテナに同等品が使われています。)
サーキュレーターを用いた自作アンテナのマッチングの取り方について
使用する機器
1)5GHzのサーキュレーター
2)5.7 GHzの信号源(0dBm)
3)5.7GHzを受信できる受信機(Sメータ付)、またはスペアナ
今回はスペアナで行うこととする。
4)50Ωの終端抵抗
基本は、高周波部品の入出力インピーダンスを50Ωに整合を取る必要があります。
(たとえば、すべての部品を75Ωに整合をとれるならそれでもよいのですが、
世の中で製作されている部品が、50Ωに整合されているので50Ωに整合とる方がよい。)
50Ωのインピーダンスに整合されたかどうかの試験方法
サーキュレーターの1番はスペアナ入力へ、2番は5GHzの信号源0dBm程度を入力し、
3番に測定物を接続し1番に表れる信号を最小にするとインピーダンスが50Ωに近づく。
もし、スペアナがなければ検波器とメータ(100μA)を用い1番に表れる電圧を測定すればよい。
その時は、メータで測定できる信号源の強度を要す。
インピーダンスを50Ωに追い込むために
芯線とグランド間の容量性を変化させる
スリーブを芯線に覆い被せるようにスリーブを上方向にずらせて整合をとる
5.7GHzのサーキュレーター
T) オープン時の状態
U)50Ωの終端を接続した状態
50Ωの終端を取り付けると無負荷時より-40dB以上信号強度が低下する。
(この程度低下しなければ、50Ωの終端が終端になっていないことになる。
V)スリーブアンテナの調整作業中
50Ωの終端と測定したいANTを置き換えて、ANTを調整しながらスペアナの
信号強度をできる限り下げる。
無負荷時より-20dB以上さがれば利用できるANTとなり、SWRが1.3程度となる。
W)インピーダンスの測定
ネットワークアナライザーを用いてスミスチャートを表示させました。
スリーブアンテナの測定結果
測定範囲:5760MHz ±100MHz
結果インピーダンス:約42Ω, SWR : 約1.5
2] 5.7GHzリッジ導波管トランスジューサーの製作
(正式な呼名でないかもしれませんが、給電部がリッジになっているのでこの呼名にしました。)
業務用に利用されていたWR137導波管(6.8GHz用)を5.7GHzのトランスジューサーに
改造してみました。
(WR137の導波管がなければ、35x15mm程度の角パイプで、長さが40mmの半田できるものが
あればよい。たとえば、0.6mm程度の真鍮板を丸めて角パイプに作ってもよい。)
ベクトルネットワークアナライザーで測定した結果
給電部分で、空間に電波が徐々に広がるような設計するのがミソです。
びっくりするぐらい非常に良いデータで SWR 1.02です。
トランスジューサーとして使ってもよいし、先っぽをラッパにしてホーンアンテナにすることもできる。
簡単に作れますので試みてください。
参考まで
3] 5.7GHzパッチアンテナ(中国製)
(サイトで購入したアンテナを計測してみました。)
スミスチャートの測定
SWRの測定
4] 5.7GHz パラボラアンテナ TDK-380(自作) SWRの測定
工事中
以上