Counter





 PLL Oscillator 4480MHz by ADF4351
   By JH3OZA   (東京都大田区 桶谷 保)  2013年3月


はじめに
 アナデバから面白いチップ(ADF4350,4351)が出荷されてサンプルを入手できましたので、
プリント基板をデザインから制作し、ワンチップの発振器を作ってみました。

1. 5760MHzのトランスバーターの自作

 特にリピータ対応を考えて、局部発振器OSCを製作しました。



ケース入り写真


PLL - ADF4351(LocalOSC44)の特徴
  親機1200Mのトランシーバーと組み合わせ、ミキシングすることで
5760MHzの信号を簡単に作り出せます。
 まずは、前面パネルの電源端子に+6V〜8Vの直流電源を供給しますと、
パイロットランプ(PL)が点灯し、SMAの端子に原信4480M信号があらわれます。

 周波数は、前面パネルの切替端子を、Lowにすることで切り替わります。
High(+5V)時は4480MHz、Low(GND)時は4440MHzとなります。
これにより、親機のトランシーバーで送信時(プレススイッチ(PTT)がLow)に
40Mシフトが容易に実現し、リピータ対応が可能となります。
もちろん、送信時にこのスイッチを連動させなければ通常の動作になります。
もし、発振信号がロックしない場合、Lock off信号をPICが受けたら、Data,Clock,
STB信号を、ADF4351に再送するプログラムを作りLock ミスを防いでいます。

 ブロックダイアグラム


今回は、Lo端子のみ使用しました。

 PCBに部品を取り付けている様子
 

PCB基盤は、アートワークを作成して業者に依頼しPCBを作ってもらいました。

 PCB CAD図面
 

 発振周波数の波形 スパン3.3GHz
 

 発振周波数の波形 スパン200MHz
 

 発振周波数の波形 スパン20kHz
 
 IC内のLC発振では、近接のフェーズノイズが高い。

 この発振器にLCDを取り付け、
 発振周波数に1280Mを加えて表示させた様子
 

このPLL発振器は、プログラム(PIC)により発振周波数を10kHz単位で可変できるようにしました。
IF端子に1200Mのトランシーバーから(0dBm)を供給し、
外部変調用端子に変調をかけると簡易にFM変調をかけることができる。

<結果> 信号の近傍(フェイズノイズ)が大きいのが、この発信機の特徴で悪いとこをです。
やはり、ワンチップICの発振器が原因のようで取り除くことができません。
逓倍用に利用することは難しい発振器です。


仕様)
 PLL IC  :ADF4351
 制御用IC :PIC 18F24J10
 出力アンプ :ERA-1 or ERA-3  RF周波数  :4480MHz(切替端子 High)、4440MHz(切替端子 Low)
 RF出力   :+5dBm 程度 
Lock ON  :LED
 DC 電源  :+6V 〜 +8V  (約200mA)
 電源ランプ :LED 緑
 Ref周波数 :16.8MHz 
 (12.8MHzは、IFに影響を与えるためあえて使用していません)

※オプションとして下記のものを取付可能
 LCD表示機 :SC1602タイプ 
 周波数可変 :ロータリーエンコーダ 最小10kHz  
 ミキサーIC :HMC218 5GHz用
 5760MHzの周波数を2てい倍して作り出すことが可能:HMC188
 ただ、フェーズノイズが大きくなるのでお勧めしません。



参考) 国内5760MHzのリピータ周波数 (JARL指定)
     送信 5725MHz帯、受信 5765MHz
     トーン周波数 88.5Hz


参考
 テスト用ソフトを記載します。
 ADF4351 4480MHz 1CH用, PIC 18F24j10


ADF4351用(4480MHz) HEXソフト

PICのI/Oの接続は、下記のとおりです。
LCD 2桁 1602Bタイプ 4bit動作
stb PIN_B0
rs PIN_B1
DB4 PIN_B4
DB5 PIN_B5
DB6 PIN_B6
DB7 PIN_B7

ADF4351  DATA PIN_A2
 CLOCK PIN_A3
 LE   PIN_A1
 CE    PIN_A0

その他のピンは、プルアップしておいてください。
PIN_B3 //Pin24 High
 PIN_C2 //Pin13 high
 PIN_C5 //Pin16 high
 PIN_C6 //Pin17 high
 PIN_C7 //Pin18 High
  参考にしてください。





2.5GHzビーコン発生器(5759.800MHz)の製作


 ADF4351の基板を用いて簡単に5.7GHzビーコン発振器を作ることができます。
周波数をPICで決定させた後、遊んでいる(何もしていない)PICをID(F2E)発生器として、
利用しADF4351のモジュレーション端子に入力すると、5GHzビーコン発生器を作る
ことができます。
ただ、ADF4351では、5759.800MHzの周波数を作り出せないので、1/2の周波数を発振させ
RFの出力端子から、2倍の高調波を 0dBm程 取り出している。
もちろん、出力端子にフィルターを設け5GHzの綺麗な信号にしている。
もし、出力を上げたいならば、外付けアンプを設ければよい。

3.トラッキングジェネレーターの製作


 HP、アドバンテスト、アンリツ製のスペクトラムアナライザーにトラッキングジェネレーターを
取付けてフィルターやアンプの特性を測定できると便利ある。
このユニット(LocalOSC44)には、ミキサーが内蔵しているので簡単にトラッキングジェネレーターに
なります。


アドバンテスト製スペアナ用のトラッキングジェネレータ発振器として動作させた内部の様子
 

詳細は、次に記載します。



お読みいただいてありがとうございました。
JH3OZA


トップへ戻る”border=