24GHz Beacon送信機の製作 
      (基準波にGPSユニットを用いた)


  2018年7月
  JH3OZA
  桶谷 保

 はじめに
  関東では、5GHzや10GHzのマイクロ波帯のビーコンを上げておられる局が数局程いると聞いて
 いますが、24GHzとなるとほとんどなく、寂しいかぎりです。

 そこで定年退職後、時間を持て余すこともあり、以前から集めていたパーツを用いて24GHzの
 ビーコン発生器を作ることにしました。


 構成
  24GHzの高周波信号は、手持ちのアンプも少なくあまり出力も望めない。ただ、できるだけ
 綺麗な信号を作ることと、隣接チャンネルに妨害を与えないフェーズノイズの少ないものを作るため
 水晶発振から持ちあげるようにし、周波数の温度特性を良くするためXtal−PLLの技術をもちいで
 周波数の安定化を図りました。また、リファレンス発振器は、GPSの信号を利用することにしました。



(主な特徴)

24GHzの信号精度
 1.周波数精度や温度特性のよい。
 2.フェーズノイズが少ない。
 3.隣接チャンネルに影響をおよぼさない。
 4.高調波の少ない。

(おもな特徴)
・PAは、NECのMC-5907,MC-5908の2個の直結アンプを用いゲイン30dB、出力100mWを
得ている。
・12GHzを2逓倍する逓倍器は、マキ電機製の24GHz2石基板を改造し、入力回路に1pFの
 結合コンデンサを入れ12GHzの信号を通るようにして使っています。
 入力に12GHz +10dBm入れると24GHz+7dBmを得ることができました。
・リファレンス発振器は、オーブンを用いようと考えましたが、安価なGPSユニットが
 販売されているので
 GPSユニット(NEO-7M)からリファレンス信号(6000kHz)を取り出すことにしました。



ブロックダイアグラム



GPSユニット設定のしかた

  u-blox社製の色々なGPSユニット(NEO-6m, -7m, -8m)をテストしてみました。
 NEO−7m は、 NEO−6m に比べて、ディアルアンテナの使用可能である以外は、
ほぼ同じ機能でしたが、NEO-8mは、色々と機能が強化されているようです。
 今回は、安価なNEO-7mを利用することにし、そのPPS端子からリファレンス信号を
 取出すことにしました。
  PPS信号の変更は、USB-RS232(TTLレベル)変換とGPSユニットをハード的に
 クロス接続し、Windowsの u-centerソフトを用いて変更を行いました。

u-centerソフト(u-blox社製)で、PPS信号 変更のしかた

 1)Windows GNSS評価ソフトウェア u-centersetup_v18.06をネットから
   ダウンロードしそのU-centerソフトを展開し立上げる。
 2)フォルダのReceiver->port com設定を所定値に合わせてると、GPSユニットを
   認識する。
 3)View->Configuration View->TP5 (Timepulse5)に、希望周波数を書き換え send する。
 4)View->Configuration View->CFG (Configuration)開いて send すると、
   PPSの出力周波数は、変更できる。(1Hz〜10MHz可能である)
 注意)PPS出力周波数は、500kHzや1MHz,2MHz,4MHz,6MHzの設定が望ましい。
    ただし、バックアップ電池の消耗に注意すること。


JH3OZA

トップへ戻る”border=